大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(う)1569号 判決

被告人 中島衡平 外一名

〔抄 録〕

しかし、この点について原判決の認定した事実は、「電報配達夫に変装をした共犯者が、『電報、電報』と叫んで家人を呼び起こし、勝手口開き戸を外側に二〇センチメートルくらいあけて応待に出た塚田元成に対し、所携の出刃包丁を突きつけ、右塚田が身体をのけぞらしながら右開き戸を必死に閉めようとすると、なおも右包丁を握った片腕を肩のあたりまで開き戸内にこじ入れたうえ、さらに右包丁を右塚田の腹部手前約三〇センチメートルまで突き出し、遂に右開き戸を外側にこじあけた。そして、右出刃包丁を突き出すなどの暴行により、塚田元成が開き戸の取手から手をはなし、屋内に逃げ込もうとして右に旋回した際、同人に対し、原判示の傷害を負わせた。」というものであって、右事実は、前記のとおり、原判決挙示の証拠により優に認められるところ、右のような態様で、至近距離にある被害者の身辺に向かって出刃包丁を突き出す行為は、人の身体に対し不法な有形力を行使したものとして、暴行を加えたものというべく、被害者が逃げようとする際に右包丁にふれて負傷した場合には、その傷害は、右暴行の結果といいうるのであって、当時すでに強盗の着手があったことは、原判決が「弁護人の主張に対する判断」なる欄において説示するとおりであるから、このように本件強盗の機会に犯人の行為を原因として傷害の結果を生じた以上、本件について強盗傷人罪の成立を認めた原判決には、なんら法令の適用の誤りは存しない。

(堀 平野 和田)

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